柳沢雅彦 特別インタビュー

~ 「ふるさと飛騨高山写真展」を振り返る ~
(インタビュー&まとめ/岡本彩香)


Q.さて、今回のふるさと飛騨高山写真展では、いろいろな感想が寄せられたと思います。いちばん印象的なものを教えてください。
A.モスクワオリンピックのポスターコンクールで金賞に輝いた川津英夫先生からいただいたメールが最もインパクトがありました。
「風景もよく見るネイチャーと違って素晴らしい。禅の精神は写真の本質です。柳沢雅彦の写真は禅の精神に通じます。ロランバルトの写真論の話を今度しましょう」と。
いつも私にインスピレーションを吹き込んでくださっている写真の師匠の言葉には、とても重みがあります。毎度ながらハッとさせられます。
私がダンス雑誌の表紙を連載していたとき心酔していたのが、二刀流の剣聖・宮本武蔵でした。
どの撮影も絶対に失敗が許されない修羅場でした。ダンサーの美の極致を写し止めるには、研ぎ澄まされた感性が要求されます。
武蔵は禅宗の開祖・達磨の絵をたくさん描いています。私は無意識のうちに「禅」の道に足を踏み入れたのかもしれません。
しかし私が武蔵の生きざまから学んだことを川津先生はご存知ないはずです。 どうして言い当てることができたんだろうか。またしても敬服いたしました。

Q.柳沢さんには生涯の目標となるような方が、ふるさとにいらっしゃいますか? 現在でなくても過去の人でも構いませんが…。
A.はい、おかげさまで尊敬する先人たちは何人もいます。
その中でも江戸時代に高山祭の屋台彫刻で活躍した不世出の天才・谷口与鹿(たにぐち・よろく)は別格です。 夢中になって版画を彫っていた小学生の頃の私にとって、神様のような眩しい存在でした。 どんなに背伸びしても手の届かない雲の上のヒーローでもありました。
今でも高山祭で見事な彫刻を拝見するたびに身震いします。 あふれんばかりの生命力と、みなぎる躍動感…時空を越えて、こんなにも私に衝撃と感動を与えてくれるのが不思議でなりません。
「われ、いまだ木鶏たりえず」
心の支えでもある飛騨の匠を誇りに思える至福の空間が、そこにはあります。

※谷口与鹿の屋台彫刻の画像はこちら



Q.撮影中の苦労とか喜びは?
A.最近は、あまりにも海外からの観光客が増えているため、撮影に集中するのがひと苦労でした。
私がモデルから数メートル離れて撮ろうとすると、観光客たちは遠慮なくモデルにカメラとかスマホを向けてきます。 その結果、写真の画角に余分なものが入ってしまう事態となりました。
私は、誰よりもモデルに接近して、素早く撮影を終えなければなりませんでした。いわば「前陣速攻型」の構えです。 ひとつのポーズの撮影は、だいたい数秒くらいかな。 モデルの耳元で「温泉旅館の若女将のイメージで!」と希望を伝え、あとはモデルの美的瞬間を待ちます。 いちいちポーズについて細かい指示なんて出しません。色香ただよう仕草などは、とっさにモデル自身が考えます。
にぎわう観光地での撮影は「瞬発力」と「以心伝心」が、すべてです。 うまく撮れればモデルのお手柄、うまく撮れなければ写真家の力不足です。
どこへ行ってもモデルは注目を集めました。イタリアの写真家は「オレにも日本美人を撮らせてくれ」と交渉してきました。 私が選んだモデルが世界各国の人たちに認められたのは正直うれしかったですけど…。 撮影中に青い目をしたイケメンの写真家にモデルを横取りされないかハラハラしてましたよ(笑)。

【番外編】スペシャル・ギャラリー

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引き続きインタビューをお楽しみください








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