プロカメラマン への

写真のテクニックから人生相談にいたるまで、柳沢雅彦が読者のさまざまな質問に答える好評のシリーズ企画「新・プロカメラマンへの道~唯我独尊Q&A編」は、 7月10日更新の「特別編」をもちまして一時中断させていただきます。 なお引き続き、読者の皆様からの質問は こちらのページ で受け付けております。 お寄せいただいた質問については、今後は短期集中連載という形で取り上げさせていただきます。

Q6 「カメラ壊れて観客席でドロ試合!?」 バックナンバーはこちらのページからどうぞ

あるサッカー場のスタンド観客席に三脚を据えて超望遠レンズで撮影していたら、隣の席に座っていたお年寄りがトイレに立った際に、足を引っかけて三脚を倒してしまいました。 ガチャンと音がしたときは手遅れで、機材が壊れてしまいました。「弁償してください」と言ったら「通行妨害しているお前が悪い!」と逆に怒鳴られました。 あまりの剣幕に驚いて相手の名前や住所なども聞かず帰って来てしまいましたが、どうしても納得がいきません。
__ (東京都・20才・大学生)

観客席のトラブルですね。サッカーの日韓ワールドカップ開催で、これから同様の相談が増えそうな気がします。特に相手が外国人だと、よけいに問題が複雑になります。

あなたの場合は、三脚が倒れた瞬間は自分の席に座っていたのですか? それとも近くにいて、とっさに戻って来たのですか? ガチャンという音は聞いているとのことだし、加害者は隣の席のお年寄りとのことですから、あなたもトイレに行っていたということはないでしょう。 まさか観客席わきの通路に三脚を置いていたということはありませんよね。

いろいろな場合を想定しながら、一緒に考えてみます。

まず、あなたが三脚の前に座っていたというのならば、お年寄りが席を立つとき、しっかり三脚の脚の部分を手で押さえながら「邪魔してスイマセン」と、ひと声かけるべきでした。 どうしても通れないならば「ちょっと待っていてくださいね」と言って、三脚をたたんで通してあげるべきでした。 お年寄りと子供には、それなりの配慮が必要です。

あなたも席を立ち、すぐ近くでブラブラしていたというのならば、あなたが悪い。そんな貴重品を置いて、席を離れてはいけません。 せめて「超望遠レンズ+ボディ」は取り外して自分の手元に置いておくべきでした。

まさか通路に置いていたなんてことはありませんよね。そんなことをしたら確かに通行妨害だし、もしかしたら消防法か何かに違反すると思います。大地震や起きたり、火災が発生した場合のことを考えてみればおわかりだと思います。

観客席に三脚を立てて撮影していれば、何らかのトラブルが発生することは目に見えています。 報道やプロのカメラマンには、一般の観客席と隔てて、カメラマン席やプレス席が用意されています。 それでも大部分のプロは機動性と周囲への迷惑を考えて、三脚ではなく一脚を使っています。

もし相手の方から「弁償しましょうか」と言ってくれば別ですが、いずれにせよ、こちらから請求するのは極めて難しい相談だと思います。






連載第7回 「売れっ子カメラマンの条件って何!?」 もぜひご覧ください




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