プロカメラマン への

写真のテクニックから人生相談にいたるまで、柳沢雅彦が読者のさまざまな質問に答える好評のシリーズ企画「新・プロカメラマンへの道~唯我独尊Q&A編」は、 7月10日更新の「特別編」をもちまして一時中断させていただきます。 なお引き続き、読者の皆様からの質問は こちらのページ で受け付けております。 お寄せいただいた質問については、今後は短期集中連載という形で取り上げさせていただきます。

Q17 「カメラ小僧にも滅亡の危機!?」 バックナンバーはこちらのページからどうぞ

あるスポーツの大会で、観客席から望遠レンズを選手に向けていたら、いきなり係員に「写真撮っちゃいけないよ」と注意されました。何年か前までは、そんなことなかったのですが…。
__ (東京都・29才・会社員)

そうです。確かに観客席から自由に撮れない大会が年々、増えているようです。一体これは、どういうことなのでしょう?

実は、女の子の挑発的なポーズや肌の露出を売りにするマニアのための「投稿雑誌」が販売部数を伸ばすにつれて、そこに掲載される内容も、どんどん過激になってきました。 そして出場する選手や大会の主催者から「こんな写真を撮るカメラ小僧を会場から締め出せ!」ということになったのです。

今から20年ほど前、盗み撮りのエロティシズムを紹介した「アクション・カメラ術」という本がベストセラーになりましたが、その潮流が女子スポーツの会場に持ち込まれた結果、まじめにスポーツ写真を撮っているアマチュアカメラマンまでも迫害されることになってしまったのです。 なにせ観客席で超望遠レンズを構えているだけで「不審者」として見られるのだから、たまったものではありません。

これはアマチュアカメラマンに限った話ではありません。なぜならば、いくらフロアに下りて撮影することが許されている報道やプロのカメラマンであっても、周囲に所狭しと並べられた看板など雑然としたものを省略するために、あえて観客席に上がり、 「背景をフロアに抜く」ことによって、お目当ての選手だけを浮かび上がらせるという手法を使うこともあるからです。

今では会場によっては、超望遠レンズを抱えて観客席に入っただけで 「キミ、キミ。なんで、そんなレンズ使うの? どこまで大きく写るの? まさか身体の一部分だけアップで狙おうなんてことないよね…」と係員からクギを刺されることもあります。

もちろん私たちはプレスカードなどプロであることを証明するものを持参していますので、さほど問題になることはありませんが、純粋にアマチュアカメラマンとして活動している人たちは大変だろうな、と同情します。

一部の不心得者のせいで、みんなが迷惑しているのです。しかし本当に悪い奴らは、さらに隠し撮りの新兵器を用意して、また投稿し続けることでしょう。 取り締まる側と、取り締まられる側のはてしなき攻防は、いつまでも終わりそうにありません。






連載第18回 「フォトコンって一体、なんだ!?」 もぜひご覧ください




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